2015年7月26日日曜日

2種類の人間の話 観光客編

2種類の人間がいる。
団体旅行をする観光客と団体客と一緒になることを嫌う観光客だ。

その事にウィーン市が気が付いているのかが問われている。

グリンツィング(Grinzing)はウィーンで一番のホイリゲ街だった。
ウィーンっ子は観光客向けと陰口を言ったが、観光客も地元民も楽しめるホイリゲ街だった。
夕食時ともなると団体客はバスで個人客は路面電車やバスで押し掛けた。
でも、バスを停める場所がなかった。

だから、造った。
巨大な地下駐車場を造った。

バスを停める場所が出来たので、団体客が増えた。
団体客が増えたので、それを嫌う個人の観光客が減った。

個人の観光客が減ったので、団体客を入れる事の出来ない小さなホイリゲが閉店した。
一つ、一つ、閉店していった。

さらに、団体客が増え、個人の観光客は減った。
どんどん、減った。
そして、さらに、団体客を入れる事の出来ない小さなホイリゲが閉店した。

間違いは何処にあったのだろう???
路面電車のグリンツィング駅 向こうに地下駐車場の入口(人用)が見える
その間違いが他のホイリゲ街でも進行しつつある。
2番手はノイシュティフト・アム・ウァルデ(Neustift am Walde)だ。
ここは道幅があるので、大型バスをホイリゲの前に停める事が出来る。バスを退避させるスペースも多い。そして、団体客を入れる事の出来ない小さなホイリゲの閉店が相次いでいる。
ノイシュテフト・アム・ウェルデの閉店したホイリゲ
昔ながらのホイリゲ街の風情を残すシュタマースドルフ(Stammersdorf)でも大型バスを見かける事がある。閉店して居抜きでイタリアンになったホイリゲもある。
シュタマースドルフで見た大型バス
ウィーン市はどう思い、どうしようとしているのだろうか?

2種類の人間がいる。
団体旅行をする観光客と団体客と一緒になることを嫌う観光客だ。

やれ、やれ




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